原石やカットされた宝石をリングやペンダントなど装身具(ジュエリー)に加工することが貴金属製造加工です。
最近ではキャストによる製品(大量同デザイン)が主流ですが、熟練の職人による手作りの制作工程をご紹介いたします。
一般にキャスト物は安価に仕上がりますが、オリジナリティがなく石を生かす留めが出来ない場合もあります。手作り品〔一個物〕はデザインや石の個性を重視して作りますので、文字通り世界にひとつだけのオリジナルジュエリーになります。 |
第22回宝石研磨石創作デザインコンテスト
デザイン・テーマは?
向井氏が研磨したのは2個の石
一つは縦50ミリの変形オニキス
一つは15ミリのラピスカボッション
向井氏の2個の石とイメージやお話をもとにドルジェにて加工用デッサンを作らせて頂きました。ルース(裸石)がジュエリーに生まれ変わる工程をご紹介いたします。
どんなジュエリーになるのか?最後まで加工の様子をご覧になってください。
向井氏は原石を見ながらイメージを膨らませ、全体のデザインを
考えながらカットしていくそうです
デザインが優先の場合はそれに合わせて石をカットします
今回の加工はドルジェの工房にて大柴幹夫氏が制作した工程です
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地金はシルバー925です・はじめに材料を溶かしてデザインに適した厚い板を作ります
完全に溶かして不純物を除き・状態を確認します
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プロパンガスに酸素を混合
再び溶かしてサイズ決めした金型に流し込みます
冷めて固まった地金
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少し熱を加えハンマーで叩きながら地金を均一に締めていきます・数回繰り返す
重要
ロールで面を平らにします
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希硫酸で表面をきれいに洗浄します
ここまでの工程はプラチナ、ゴールドなども共通です
ろう材は地金同士を付けるものです(ろう付け)
作業温度の高いほうから順番に使います
(とも付けは地金どうしを溶かし接合)
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デザインのベースになるパーツ
重いパーツは置き付け(置いてろう付け)
石に合わせて罫書きます
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ラピスの石枠を作ります(フセコミ留め)
石枠のろう付け完了
罫書き線に沿って糸ノコで引き回します(切る)
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ヤスリでバリを削ります
鋸の達人 大柴幹夫 たよりになります
裏側からもろう材を流します
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今回苦労して表現した部分
裏板兼腰のパーツ(ノコ歯が冴えます)
全体をヤスリで整え真鍮ブラシで仮仕上げ
オニキスを合わせてみる
「皆既日食」
☆大柴幹夫氏はシンプルなブライダルジュエリーからオブジェまで制作する飾り職人です。特に伝統的な糸鋸による引き回しは繊細で美しくジュエリーに深みが生まれます。石をよりきれいに見せる0.1ミリ単位のツメや曲面加工など手作り職人ならではのこだわりの逸品を作り続けています。
☆向井照夫氏はワインボトルを組み合わせて研磨したオブジェや、木炭を研磨したアクセサリーなど現代アート的な作品を発表している研磨師「現代の名工」です。何度かジョイントさせていただいておりますが、柔軟な発想やテーマにはいつも驚かされます。今回は皆既日食がテーマでしたが、地球温暖化問題など向井氏の自然への畏敬と天然石への愛情から発想された作品だと思います。
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☆弊社では皆様のイメージなどをジュエリーにする原石探しから研磨、加工などのオーダー制作も承っております。ペアリングや思い出の石などオリジナルジュエリーで美と個性を楽しんでください・・・・・ |
加工用デッサン |